設立趣意 – 公益財団法人 九州先端科学技術研究所

設立趣意

ES-Kyushu

我が国経済の発展を牽引している自動車、情報家電、携帯電話等の機能 や性能は、搭載されるソフトウェア(組込みソフトウェア)の品質・性能 に大きく依存してきており、その開発需要と重要性はますます拡大されると予測されます。今後、組込みソフトウェアは様々な分野で利用され、製造業における金型 と同様に我が国産業を支える重要な技術となっていくのは確実です。一方、我が国の組込みソフトウェア技術者は、9万人以上も不足(2007 年現在)しているといわれ、昨今の組込みソフトウェアの開発規模の巨大化・複雑化・開発期間の短期化とも相俟って、組込みソフトウェアに関する不具合が急増するなど企業経営への影響も顕在化しつつあります。また、 中国・インドなどアジアの国々でのオフショア開発が進む中、日本のソフト ウェア技術力の低下、ソフトウェア産業の空洞化も懸念されております。

今後、我が国が持続的な経済発展を遂げるためには、ソフトウェア産業の競争力強化が喫緊の課題 となっております。 ここ九州におきましても、自動車産業や半導体関連産業の拡大を背景に、組込み ソフトウェア(組込みシステム)の拡大が期待される中、北九州市のカーエレクトロニクス人材育成 の動きや福岡県のシステムLSI設計技術者・企業の集積に加え、熊本県の半導体等の量産拠点の強みを有しております。

しかしながら、一部の 民間や官民の取り組みはあるものの、九州地域としてのまとまった組織や取り組みが行われるには至っておらず、人材育成や競争力・技術力の強化、販路開拓における弱みの克服や個々の強みも活かすには至っていない状況です。九州の潜在的強みを活かしつつ、域内の組込み システム関連企業等の更なる発展を遂げるためにも、大学や産業の得意分野の結集による「強み連携」 が必要不可欠となっております。 以上の趣旨に基づき、九州全域及び産学官が一体となった組込みソフトウェアの中核組織として「九州地域組込みシステム協議会」を設立するものです。

平成19年11月29日

九州地域組込みシステム協議会 
会長 牛島 和夫

※協議会名称を、平成24年7月13日に「九州IT融合システム協議会」に変更しました。