2003.5.25 開催:平成15年度マルチメディア市民講座
■テーマ
「障害者の快適な生活を求めて、ITをいかに活用するかを考える」
情報通信月間参加行事
■日時
平成15(2003)年5月25日(日)13:30~16:30
■会場
エルガーラホール・中ホール
福岡市中央区天神1丁目4番2号
■プログラム
【基調講演】
「パソコンが広げるコミュニケーション」
この20年の間に、我々の社会の中にコンピュータの種がまかれた後、急速に浸透し、今ではコンピュータなしには社会そのものが動 かなくなってしまいました。 私が 勤務してきた視覚障害者の訓練施設でも例外ではありません。 20年ほど前は、まだ視覚障害者用のワープロソフトもなく、カナタイプライターの訓練が盛んでした。 職場でも次第にパソコンが導入されだした頃、ワープロの訓練も始まりました。
その後世には徐々に使い勝手の良いソフトが出てくるようになると、その後を追って障害者用ソフト・専用機器も改善されていきました。 そんな歴史をたどりながらコンピュータの活用が、障害者の方々の社会参加の大きな手段となっていく様子と、視覚障害者用以外のパソコンの活用についてお話 をしました。
講師 中尾 格二郎 氏
国立福岡視力障害センター 指導課長
◇プロフィール◇
福岡市に生まれる。日本社会事業大学研究科卒業後民間施設を経て、国立身体障害者リハビリテーションセンター、国立函館視力障害センターなどで、ケースワーク業務とともに、歩行訓練・ワープロ訓練などに従事する。昨年4月に50年ぶりに福岡の地に戻る。 現在、福岡視力障害センター指導課長。
【研究紹介】
「視聴覚障害者への遠隔からのコミュニケーション支援システムの実験的調査研究」
~障害者の活動を支援するIT~
ISITでは、「誰でも」、「いつでも」、「どこででも」 ITを活用して快適な生活がおくれるようにするための技術に関する研究開発を進めています。
今回、技術革新の著しいITが障害者の日常生活をより快適なものにしていくために、何が出来て何が課題であるのかを明らかにするため福岡市内で実証実験 を行ないました。 具体的には、PCや普及著しい高速ネットワーク、カメラ付携帯を用いた視覚障害者・聴覚障害者への遠隔からの「歩行支援サービス」「手話通訳サービス」実現のための実験です。講演の中では、模擬実験を交えながら実証実験の結果を中心に、日常生活のワンシーンではありますが、現状のITでどのようなことが出来るのかを紹介しました。
講師 後藤 拓志 氏
福岡市立心身障害福祉センター リハビリテーション課 指導員
◇プロフィール◇
北九州市立大学法学部法律学科卒
1992年 福岡市社会福祉事業団
1994年 福岡市立心身障害福祉センターリハビリテーション課
視覚障害訓練指導員(盲人歩行訓練士)
講師 松本 三千人
(財)九州システム情報技術研究所 第3研究室長
◇プロフィール◇
昭和52年 九州大学大学院修士課程修了
日本電信電話公社入社(現NTT)
昭和63年 ネットワークシステム開発センター主幹研究員
平成02年 伝送システム研究所主幹研究員
平成10年 アクセスサービスシステム研究所主幹研究員
平成11年 (財)九州システム情報技術研究所入所
■主催
財団法人九州システム情報技術研究所(ISIT)、福岡市立心身障害福祉センター
■後援
福岡市、福岡市教育委員会、社団法人九州テレコム振興センター
■協賛
福岡市視覚障害者福祉協会、福岡市聴力障害者福祉協会、情報通信月間推進協議会
■参加者
140名