人材育成事業(技術セミナー等) – 公益財団法人 九州先端科学技術研究所

人材育成事業(技術セミナー等)

1997.3.26 開催:第3回ISIT技術セミナー

■テーマ
「オブジェクト指向技術の実際と今後の展望」

■日時
平成9(1997)年3月26日(水)13:30~17:30

■会場
福岡 SRP センタービル 2階研修室2

■趣旨
 オブジェクト指向技術が提唱されてから約10年が経ち、ようやく実際のソフトウェア開発現場にも、オブジェクト指向技術が広まりつつあります。また、街には C++、Smalltalk、JAVAに代表されるオブジェクト指向プログラミング言語や、オブジェクト指向分析/設計に関する本が溢れています。
 ところで、「オブジェクト指向とは何ぞや?」「オブジェクト指向は本当に有効なのか?」「オブジェクト指向を導入すると開発コストは本当に低下するのか?」などの疑問をお持ちの方はおられませんか?
 第3回の ISIT技術セミナーでは、オブジェクト指向開発の第一線で活躍中の二人の講師をお迎えして、これまでのオブジェクト指向技術を振り返り、オブジェクト指向技術の現状および今後の展望について講演し、チュートリアル的なことから、実際の開発事例、成功例、失敗例、開発手法、開発環境等についてご紹介しました。

■講師
(株)SRA オブジェクト指向グループ主幹
佐原 伸 氏

(有)ニルソフトウェア 代表
伊藤 昌夫 氏

■講師プロフィール
(1) 佐原 伸(SAHARA Shin) 氏
・現職 (株)SRA オブジェクト指向グループ主幹
1951年 東京都生まれ
1975年 東京教育大学理学部応用数理学科卒業
      野村コンピュータシステム(現野村総合研究所)入社
      証券情報システムやソフトウェア開発・保守環境の
      構築などに従事 1987年 (株)SRA入社
      オブジェクト指向を支援する方法論と形式仕様記述言語融合の
      研究やCASE・プロジェクト管理のコンサルティングおよび
      Visual Smalltalkの販売・開発プロジェクトのマネージャーを務める

(2) 伊藤 昌夫(ITO Masao) 氏
・現職 有限会社ニルソフトウェア 代表
1959年 生まれ
1984年 東京大学農学部卒業
      いすゞ自動車(株)に入社
      トレーラ用10段トランスミッションなどの設計に従事
1987年 MHIエアロスペースシステムズ(株)入社
      次期支援戦闘機FSX対戦シミュレータ開発や
      ミサイル追尾システムの研究さらに汎用流体計算プログラムの
      開発・ソフトウェア開発環境の構築プロジェクトに携わるなど
      多彩な分野で活躍
1995年 (有)ニルソフトウェア設立
      統合開発環境の開発を始める(工業所有権特許2件)

■内容
(1)「オブジェクト指向開発の実際」 13:30~15:10
(株)SRA 佐原 伸 氏
 本講演では、「なぜオブジェクト指向なのか?」という疑問に対して、「オブジェクト指向技術の実際」及び「オブジェクト指向開発の事例」という観点からオブジェクト指向の概説を行いました。
 オブジェクト指向言語、オブジェクト指向データベース、開発方法論の概要とオブジェクト指向を用いた実際の開発事例の成功例及び失敗例の紹介を通して、オブジェクト指向技術の実際と現状を解説しました。
 
(2)「オブジェクト指向開発手法と開発環境」 15:30~17:10
(有)ニルソフトウェア 伊藤 昌夫 氏
 オブジェクト指向方法論には、これまでのソフトウェア工学によって得られた知見を多く含んでいます。今回はその中でも代表的な開発手法と開発環境を取り上げました。開発手法に関しては、その進化とどういう場合にどの方法論を利用すると良いのかを簡単な例を交えて説明しました。
 また、これら方法論はどのように環境中で支援されるかをデモを通して示しました。

(3) 質疑応答 17:10~17:30

■主催 
(財)九州システム情報技術研究所(ISIT)

■参加者 
20名