2000.12.2 開催:平成12年度マルチメディア市民講座
■日時
平成12(2000)年12月2日(土)13:30~17:00
■会場
福岡市博物館 1階 講堂
福岡市早良区百道浜3丁目1−1
■プログラム
【基調講演】
「ITはなぜ革命か」~経済と社会に及ぼす影響を考える~
新聞では,毎日「IT(情報技術)」という言葉が飛び交い,今日の政治,経済,社会に大きな影響をあたえていることを,いやがおう にも実感させられます。そして渦中にある私たちは,目の前に飛び交う様々な新しい現象のめまぐるしさで,翻弄されてしまいそうです。しかも,ITが革命と 称されるようになって,私たちの目につくようになったのはeビジネスや.com企業といった新しい現象だけではありません。それとは別に,司法改革とか会 計制度の改革,日本的経営の根幹と考えられてきた終身雇用や系列取引の見直し,企業の大型合併とベンチャーの活躍など,これまでの経済と社会の仕組みを大 きく改める現象も目につくようになりました。
こうした現象は,一見するとITとは関係なさそうにみえますが,実はITの革新がこうした社会の変動にかなり深く影響していると考えられます。ITが革 命と騒がれる理由もそこにありそうです。
本講演では,90年代の日本とアメリカを比較しながらIT革命とは何かを考えました。
講師 九州大学大学院経済学研究院 助教授 篠崎 彰彦 氏
【研究紹介と実験デモンストレーション】
「人に優しいインタフェース環境の実現をめざして」
~使い勝手のよい、役に立つ情報機器~
コンピュータに代表される情報機器の高機能化がめざましいスピードで進んでいます。しかし、そうした情報機器は人間にとって十分使 い易いものになっているでしょうか。どちらかというと、少し不便を感じながらも人間が機械に合せて使っているという場合が多いのではないでしょうか。しか し、これからはもっと、使う側の人間を中心にした使い勝手のよいものが求められてきます。また一方、今の少子高齢化社会では高齢者の方や女性の方が第一線 でより活躍できるような支援体制が必要になります。そのために日常生活を幅広く支え、人間と共存できる情報機器のひとつであるロボットの開発も強く望まれ ています。我々の研究室ではこのような背景のもとに、情報機器が誰にとっても使い勝手のよい機械となるよう、人間と機械との間のインタフェースをよくして いくことを考えています。
講演の中では、この研究開発の一環として行っている「自然な話し言葉でコンピュータと対話する音声対話システム」、工場などではなく「実際の生活空間 で、簡単に操作でき、人間に役立つロボットのインタフェース」等について、実演を含めてその現状を紹介しました。
講師 (財)九州システム情報技術研究所 第3研究室長 松本 三千人
■主催
(財)九州システム情報技術研究所(ISIT)
■後援
福岡市、福岡市教育委員会
■参加者
158名