人材育成事業(技術セミナー等) – 公益財団法人 九州先端科学技術研究所

人材育成事業(技術セミナー等)

1998.7.16 開催:第7回ISIT技術セミナー

■テーマ
「デジタル放送の展望」

■日時
平成10(1998)年7月16日(木) 13:30~17:30

■会場
福岡 SRP センタービル
2階 視聴覚研修室

■趣旨
 1984年の試験放送から始まったBS(Broadcasting Satellite: 放送衛星)による衛星放送は、NHK衛星第一・第二、WOWOW、ハイビジョン放送の4波が現在放送されています。
 一方、89年の放送法改正により民間のCS(Communication Satellite: 通信衛星)を利用した衛星放送も92年から始まり、デジタル・多チャンネルの特徴を持つテレビ放送「パーフェクTV(現スカイパーフェクTV)」(96年)、「ディレクTV」(97年)が誕生しました。さらに、現在パソコンやファミコンなどを対象にしたCSデータ放送も行われています。
 このような中で、BS放送は 2000年に打ち上げられる BS-4後発機により、デジタルハイビジョンをベースとした多様なマルチメディア放送サービスが可能となり、本格的なデジタル時代を迎えます。また、地上デジタル放送もNHKだけでなく民放も巻き込んで実験を行い、最近導入計画も決まりました。
 アメリカにおいては、94年にディレクTVが世界で初めて多チャンネルデジタル衛星放送を開始し、99年からは地上デジタルハイビジョン放送が開始予定です。
 一方、ヨーロッパにおいても、既に多チャンネルデジタル衛星放送が開始されており、地上デジタル放送は 英国BBC が本年から開始予定です。
 今まさに世界中でデジタル放送をキーワードとする「放送革命」が進んでいます。
 本セミナーでは、デジタル放送の展望に注目し、NHK放送技術研究所から講師を迎えて、デジタル放送の動向やサービス内容、デジタル放送を支える様々な技術の概要、将来へ向けての課題などを講演いたしました。

■内容
第1部「デジタル放送の動向とサービス」13:30~14:50
 2000年から開始が予定されている BSデジタル放送や実現へ向けての検討が加速されている地上デジタル放送など国内や海外におけるデジタル放送の動向を放送メディアの進展とデジタル化の視点から解説し展望しました。
 また、デジタルハイビジョンをベースとして、高品質で様々な新しい機能を有する BSデジタル放送において実現が検討されているサービスなど、デジタル放送において期待されるサービスについて概説しました。

第2部「デジタル放送の技術と課題」  15:00~17:30
 デジタル放送の伝送技術(変調方式など)、符号化技術、サービスおよび制作、受信機の技術について概説しました。また、2000年から開始が予定されている BSデジタル放送の実現に向けての課題およびその後のデジタル放送の展開上の課題について述べました。

■講師プロフィール
吉村 俊郎(よしむら としろう)
NHK 放送技術研究所 マルチメディアサービス 副部長

1954年 熊本県生まれ
1977年 東京大学工学部電子工学科卒業
1977年 日本放送協会入局 京都局、技術本部を経て、
1987年 放送技術研究所に所属
      現在に至る。
      ISDBアプリケーション技術の研究に従事。

■主催
(財)九州システム情報技術研究所(ISIT)

■参加者
80名