2001.1.29 開催:第14回ISIT技術セミナー
■日時
平成13(2001)年1月29日(月)13:30~17:30
■会場
福岡SRPセンタービル 2階 SRP ホール
福岡市早良区百道浜2-1-22
■テーマ/講師
「ソフトウェアプロセス改善」
・第1部「ソフトウェアプロセスの標準化とアセッサの能力」
小川 清 氏 名古屋市工業研究所 電子情報部 研究員
・第2部「NECにおけるソフトウェアプロセス評価改善への取り組み」
込山 俊博 氏 日本電気株式会社 Eラーニング事業部 エキスパート
■内 容
第1部「ソフトウェアプロセスの標準化とアセッサの能力」
ISO/IEC TR 15504は、ソフトウェアプロセスの標準化を目指した3年間の試用を行い、国際標準とするための文書です。これは、CMMをはじめとする、各種プロセス成熟度モデルの共通部分を規定しようとしたものです。日本では、日本規格協会情報技術評価研究センターが中心となってこの調査にあたり、ISO/IEC JTC1 SC7WG10には、情報処理学会情報規格調査会SC7WG10小委員会より大量のコメントを提出し、従来の規格との整合性、規格とするとよい範囲などについて意見を述べてきました。現在、着目しているのは、プロセス改善およびソフトウェア(システム)の調達を行う際のプロセス評価を行う専門家としてのアセッサの能力についてです。
過去の様々な経験に基づいたアセスメントモデルと現実とを対比させ、改善のための鍵を探りあてるためには、評価する人、または評価結果を判断する人の経験と能力が重要になっています。モデルの選択、モデルのカスタマイズなど、どこまで助言、判断できるとよいかが課題となっていると考えています。これまで取り組んできた方々の具体的な知見をもとに、プロセス改善の鍵となる人の課題について紹介いたしました。
日本規格協会情報技術評価研究センターのソフトウェアプロセス評価WGは、SEIも参加している国際的な15504の試行を行うSPICEプロジェクトに対応し、15504の試行に参加しています。
第2部「NECにおけるソフトウェアプロセス評価改善への取り組み」
NECにおけるソフトウェアプロセス評価改善活動の経緯、開発した手法とツール、適用の実績を中心に説明しました。当社では、1989年にソフトウェアQC活動の一環としてソフトウェアプロセス評価改善に着手して以来、10年余に渡りその活動を推進してきました。この間、より効果的かつ効率的にソフトウェア組織の成熟度を向上するため、種々の手法を開発し、その適用・評価並びに改善を行ってきました。現在、適用組織数は20組織を越え、継続的にプロセス成熟度の改善に取り組んでいます。2000年4月には、グループ会社の1つNEC通信システムが国内初のレベル3の公式認定を受けました。
これら一連の活動を推進してきた経験を踏まえ、ソフトウェアプロセス評価改善に取り組むに当たってのノウハウや参考事例を併せて紹介しました。
■講師プロフィール
小川 清 氏
1986・3 名古屋工業大学電気工学科卒
1986・4 名古屋市工業研究所入所
研究テーマ:通信プロトコル、ソフトウェアの品質と評価方法
職務内容 :中小企業に対する技術的な支援、指導
その他活動:
-SPICEプロジェクト北アジア地区テクニカルセンタマネージャ
-SPICEプロジェクト北アジア地区試行調整者
- ISO/IEC 15504 part 1 co-editor
- 情報処理学会・情報規格調査会 SC7専門委員会 委員
- 情報処理学会・情報規格調査会 SC7/WG10主査
- 日本規格協会・INSTAC ソフトウェアプロセス評価WG 主査
- 情報処理学会東海支部 評議員
- ACM Member
込山 俊博 氏
1985・3 慶應義塾大学 理工学部 数理科学科卒業
1985・4 日本電気㈱入社
1985・4~1987・ 7 ソフトウェア生産技術研究所 研究技術職
1987・8~1992・ 6 ソフトウェア生産技術開発本部 技術技術職
1992・7~1994・11 ソフトウェア生産技術開発本部 主任
1994・12~1998・6 マイコンソフト開発環境研究所 主任
1998・7~2000・ 1 ソフトウェアデザイン研究所 主任
内1993・4~1995・ 3 電気通信大学大学院・情報システム学研究科に派遣留学
1995・3 電気通信大学大学院・情報システム学研究科修士課程修了
研究テーマ:ソフトウェアプロセス評価改善とその効果性指標
職務内容 :ソフトウェアプロセス評価改善に関するコンサルテーション
社外活動 :
- ISO/IEC JTC1 SC7/WG6 Secretariat
- 情報処理学会・情報規格調査会 SC7/WG6委員会 幹事
- 情報処理学会・情報規格調査会 SC7/WG10委員会 委員
- 日本規格協会・INSTAC ソフト製品評価標準化調査研究委員会委員
- 情報処理学会・INSTAC ソフトプロセス評価標準化調査研究委員会 委員
- 情報処理学会会員
- IEEE Member
■主催
(財)九州システム情報技術研究所(ISIT)
■参加者
89名