情報収集・提供事業(市民特別講演会) – 公益財団法人 九州先端科学技術研究所

情報収集・提供事業(市民特別講演会)

2017.11.24 開催:平成29年度ISIT市民特別講演会

■テーマ
「自分目線の高齢化社会」~介護の現状と科学技術の可能性~

■日時
平成29(2017)年11月24日(金) 13:30~17:00

■会場
アクロス福岡 6階607会議室
福岡市中央区天神1丁目1番1号

■開催趣旨
 今や高齢化社会は誰しもが避けられない身近な現実となっています。ご自分の老後に備えた情報収集はもちろんですが、親を介護することになったら、あるいは親が認知症を発症したら、どのようなことになるのだろう、など不安に思っておられる方も多いと思います。
 今回、ISITでは高齢化社会を自分目線で考えることをテーマにした特別講演を開催いたします。ISITの研究紹介や賛助会員様の介護関連製品体験・デモストレーションを行うとともに、国際医療福祉大学から臨床現場経験豊富な先生方にご講演をいただき、また、ご自分または親が認知症を発症した場合、寝たきりになった場合などの対応への備えとして、福岡家庭裁判所より「成年後見人」制度の紹介をいたします。
 高齢化社会を自分目線で見つめてみませんか。

■プログラム
13:30 – 開会のご挨拶
公益財団法人九州先端科学技術研究所 副所長 荒牧 敬次

13:40 –
講演1
「高齢者の筋トレ~加齢による体力の衰えを防ぐ~」
国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 理学療法学科准教授
高野 吉朗 氏

講演2
「危なくないですか?お年寄りの外出を助ける道具~高齢者の歩行用支援用具に関する調査から~」
国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 作業療法学科教授
北島 栄二 氏

15:00 –
ISIT研究紹介、介護・福祉器具デモンストレーション、休憩

15:45 –
講演3
「むせる、つかえる その時どうする(摂食・嚥下(えんげ)障害について」
国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 言語聴覚学科長・教授
爲数 哲司 氏

16:25 –
制度紹介「成年後見人制度」
福岡家庭裁判所書記官

16:45 – 質疑応答

16:55 –
閉会のご挨拶
福岡市保健福祉局高齢社会部地域包括ケア推進課長 中薗 泰浩

■講演内容
高野 吉朗(たかの よしお)
 国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 理学療法学科准教授
 長くなった人生を充実させるためには健康が大切です。健康を維持するために筋トレなどの運動は欠かせません。
筋肉とは何かを知り、筋トレの方法を学び、筋肉を育てることの大切さをお話しします。

北島 栄二(きたじま えいじ)
 国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 作業療法学科教授
 本講座では歩行支援具の調査結果の紹介とともに、歩行車とシルバーカーの特徴を説明します。お年寄りの安全な歩行を支援するために様々な歩行支援用具が積極的に活用されています。介護保険制度では、杖歩行も不安定になった方に歩行車の貸与が可能となっています。しかし、我々が通所施設で行った調査では、荷物運搬に用いるシルバーカーを使用している要介護高齢者が多数存在することが明らかとなりました。

爲数 哲司(ためかず てつし)
 国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 言語聴覚学科長・教授
 最近、新聞や週刊誌で誤嚥性肺炎という用語をよく目にします。今日本人の死因の3位は肺炎で、多くは誤嚥性肺炎です。
その原因は脳卒中により飲み込み(嚥下)機能がうまく働らかなくなることがあります。また、加齢により嚥下に関係する筋肉が弱ってしまうことがあげられます。その対応は嚥下に関する筋肉を鍛えることです。また、食べやすい食べ物を食べやすい道具を使って食べやすい姿勢で食べるリハビリテーションを行うことです。講義では以上の内容を具体的に説明します。

■ISIT研究紹介、介護関連製品の体験・デモ
 人の動きを見落としなく計測し「見える化」するためのウェアラブル・センシング技術を開発しています。今回は当技術を用いたモーションキャプチャや人の動きと連動したリハビリ支援システムを展示します。
 「起立の森」では、カメラによる顔認識と距離センサーによる距離の測定により、プレイヤーの動きを検知し画面を変化させ、椅子から立ったり座ったりの起立運動をサポートします。

■主催等
主催:公益財団法人九州先端科学技術研究所
共催:学校法人国際医療福祉大学
後援:福岡市、HISCO九州支部

■参加者
34名