交流・協力事業 – 公益財団法人 九州先端科学技術研究所

交流・協力事業

第65回 ISIT 定期交流会

■日時
平成21年10月13日(火)
講演会 13:30~16:00
交流会 16:00~16:30

■会場
天神ビル 11階 10号会議室
(福岡市中央区天神2丁目12-1)



■テーマ1 13:30-14:40
「太陽のエネルギー源をさぐる」

■講師
山岡 均(やまおか ひとし)氏
九州大学大学院 理学研究院 助教

■内容
 私たちの太陽は、莫大なエネルギーを生みだしつづけている。その輝きは 誕生以来46億年の長きにわたってほぼ一定であり、今後何十億年間も輝き続ける であろうと考えられている。太陽のエネルギーを生み出している源は、中心部 で生じる核融合反応であるが、そのことが理解されてきた道のりについて解説し、 さらに近年話題となっている太陽の謎について紹介しました。

■講師プロフィール
1965年愛媛県生まれ。九州大学大学院理学研究院・助教。博士(理学)。
東京大学理学研究科天文学専攻博士課程中退、九州大学教養部教務員等を経て現職。
専門は天体物理学、特に星の一生の最後を飾る超新星爆発の理論的観測的研究。
また、福岡市内で不定期に「サイエンスパブ」を開催するなど、さまざまな方法 での天文学の普及教育にも尽力している。
主な著書に「大宇宙101の謎」「君も新しい星を見つけてみないか」など多数。



■テーマ2 14:50-16:00
「色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池の現状と問題点、および今後の展開」

■講師
早瀬 修二(はやせ しゅうじ)氏
九州工業大学大学院 生命体工学研究科 教授

■内容
 色素増感太陽電池の太陽光発電効率は11%に達し、市販されているアモルファス シリコン太陽電池の効率とほぼ同等になるまで効率が向上してきた。アモルファス シリコン太陽電池はすでに実用化されており、効率的には色素増感太陽電池は 実用化研究の段階に入っている。
 今後、モジュール化および耐久性に関する研究と、更なる高効率を目指す研究、 低コスト化プロセスを目指す研究に焦点が絞られる。また有機薄膜太陽電池の効率 は 6.7%程度に達しており、更なる高効率化が求められている。
 有機系太陽電池(色素増感、有機薄膜太陽電池)は塗布―加熱工程で 作製できるため、半導体以外の製造メーカーにも大きなビジネスチャンスがある。 一方、多様な材料をモジュール作製に使わざるを得ないため、一社だけの力での 実用化は難しく、エンドユーザー、モジュール(セル)作製メーカー、 材料メーカー、そして将来的には装置メーカーが一致団結して研究開発に 参加する必要がある。
 本セミナーでは、有機系太陽電池の現状と問題点、および今後の有機系太陽電池が 目指す姿を展望しました。

■講師プロフィール
1978年:大阪大学大学院理学研究科高分子学専攻博士前期課程修了、
1983年:大阪大学より理学博士、
1978-2000年:(株)東芝研究開発センター、
1988-1990年:米国ウイスコンシン大学で半導体珪素ポリマ(ポリシラン)研究、
2001-現在:国立大学法人九州工業大学大学院生命体工学研究科教授、
専門分野:有機電子材料とそのデバイス化、太陽電池、電気化学発光素子、 燃料電池材料、
表彰:1992年日本化学会化学技術賞受賞、 1987年全国発明表彰発明協会長表彰受賞など。



■主催
 財団法人九州先端科学技術研究所(九州先端研 ISIT)

■後援
 福岡市

■参加者
 59名