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Techno Bridge Fair in 九州 2016(minimalfab ExecutiveFair)参加報告

Techno Bridge Fair in 九州 2016 (minimalfab Executive Fair)参加報告

会議名:Techno Bridge Fair in 九州 2016 (minimalfab Executive Fair)

日時:2016年11月8日~11月9日

場所:電気ビル共創館(福岡県福岡市中央区)

主催:国立研究開発法人 産業技術総合研究所

参加者数:600名(参加社数:277社)※2日目の開始挨拶時の情報

報告者:ISIT情報セキュリティ研究室 研究員:山本 幸二

【概要】

Techno Bridge Fair in 九州 2016 (minimalfab Executive Fair)は,11月8日から9日の2日間の会期で行われた.講演が21件,ポスター展示39件,ミニマルファブ装置展示と実演が行われた.
参加者数(600名),参加社数(277社).ミニマルファブのお披露目会の意味合いを持っていたと思われ,会場にはたいへん活気がありました.

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左:開会時の挨拶 / 右:ミニマルシステムを牽引してこられた原氏

【聴講内容】

“ミニマルファブでデバイス製造産業を革新する”
原 史朗(産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 ミニマルシステムグループ グループ長)

市場調査結果では,製造プロセスは 0.5μプロセス以上,4ihchウェハが1番多い.市場ニーズは,最新技術が主流と言う訳ではない.また,初期設備投資を回収するために,必要とされる製造装置の生涯生産個数が決まってくる.
多品種少量および変種変量生産ニーズに適応した、新しい半導体システムの姿~ミニマルファブモデルを提案している。 工場ラインと試作ラインの投資規模を大幅にコンパクト化して行くことで、コスト競争力だけでなく、 研究開発直結型であることを高付加価値の源泉とし、 一方で変種変量の潜在市場を獲得してゆく。 この新しい産業として最初に現れる実用未来生産システムでは、1ラインの投資額は従来のメガファブと比べ数千分の1の、およそ5億円程度である。 このシステムは、(1)ハーフインチウェハ、(2)装置サイズ30cm幅、(3)局所クリーン化生産システムによるクリーンルームレス、という3つの特徴を有する。装置の標準化を行い,認証制度を採用している.
質疑応答では,ウェハサイズを大きくする計画について質問され,市場調査結果によりやる必要が無いし,技術的にも作れないとの回答であった.九州で一番にビジネスにして欲しい.発想から開発に10年くらい経過して,多品種少量生産体制が確立できているので九州で立ち上げして欲しいなどのコメントが寄せられていた.
ミニマルファブも1つのIoTデバイスるになると想定される.標準化の中に,セキュリティ対策としてOS/OSS/ネットワーク設定などを組み込めていけると良いと感じた.

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ミニマルファブのコンセプト

“英国におけるミニマルファブの可能性”
斎藤 慎一(University of Southampton, Professor)

サウサンプトン大学,イギリスの大学運営の紹介.半導体の試作装置としてミニマルファブを一早く大学に導入していきたいと話していた.
質疑応答では,日本とイギリスの研究者マインドについて,研究成果をビジネス化することについて違いについて質問され,イギリスの研究者はビジネス化することを考えているとの回答であった.コメントとして,ミニマルファブ自体の技術海外流出や,ミニマルファブの海外販売による日本の半導体産業への影響を不安視する意見が見られた.ミニマルファブは世界中に販売するが,ミニマルファブを模倣して製造することは不可能と考えている.また,単納期で多品種少量生産をターゲットとしているため,大儲けはできないが産業は衰退しないと考えている.

“デバイス産業の動向”
和田木 哲哉(野村證券株式会社 グローバル・リサーチ本部エクイティ・リサーチ部エレクトロニクス・チーム マネージング・ディレクタ

半導体業界は2つの大きな波が来ており,今後順調に推移して行く.1つ目がサーバのHDDのFlashメモリ化により,Flashメモリが好調となっている.2つ目がIoTのセンサに使用されるレガシーデバイスが好調となっている.この波に乗れた会社は急伸すると考えられる.
質疑応答では,少品種大量生産にあたるデバイスが好調であるとの講演であったが,ミニマルファブは受け入れられないとの想定なのかと質問され,IoTの世界になりミニマルファブは時代の流れにあっており,きちんと動作することが前提であるが,きちんとしたものを提供できれば売れると想定される.開発スピード,機密保持,半導体試作の用途,レガシーデバイスを製造している装置の老朽化など有利な点は揃っている.

“九州における知の連携”
尾家 祐二(国立大学法人九州工業大学 学長)

九州工業大学の紹介.研究の1例としてロボット開発の紹介があった.ドローンを使用して山林の木の直径を計測するシステム.トマトの収穫ロボット.海底ロボット.「森のドローン・ロボット競技会」などのコンテストを開催していることが紹介された.
質疑応答では,国立大学法人運営費交付金が減額されることでの研究への影響が質問され,人件費に影響が出ており減額分の人員削減を余儀なくされており,企業向けに共同研究など長期的に協力して頂きたいとの回答があった.

“九州を中心とした電子デバイス産業の新しい挑戦”
浅野 種正(国立大学法人九州大学 大学院システム情報科学研究院 情報エレクトロニクス部門 教授)

イメージセンサについて紹介.ニッチな分野ではあるが高付加価値のものを開発すると,某有名メーカの6倍程度の価格になった.テラヘルツ帯のイメージセンサに着目している.テラヘルツ帯は,電波から見ると高周波帯であるが,光から見ると低周波帯となり,電波と光の性質を併せ持つテラヘルツ帯を利用すると,煙の中の人を見るなど,これまでのカメラでは見えなかった物を見ることができ,災害救助,犯罪防止,資源探査,医療,創薬など多くの分野で新しいサービスを提供できる.実用的なテラヘルツビデオカメラ用撮像デバイスを創出したい.ミニマルファブは,デバイスの研究開発において,短期製造,低価格化を実現し研究スピードを加速できることを期待している.
質疑応答では,インダストリ5.0と言う記述があるが何を意味するのかとの質問があり,インダストリ4.0は生産管理で生産効率をあげるのには役に立つがクリエイティブではないため,ミニマルファブは一歩先を行きクリエイティブ性を際立たせたいとの思いを込めてインダストリ5.0と記載しているとの回答であった.

“バイオMEMS開発”
安田 隆(国立大学法人九州工業大学 大学院生命体工学研究科 教授)

医薬品開発の迅速化・低コスト化に貢献するバイオ機器の実現に向けたMEMSを利用した細胞解析デバイス開発状況を紹介.課題のクリア状況および成果の紹介があり,研究においても,産業化においても多品種開発が必須となるため,ミニマルファブへ寄せる期待は大きい.

【九州参画企業】

ミニマルファブは参画企業の各社が得意分野において更に工夫を凝らして開発していると講演がありました。九州に本社を構える企業を紹介します。

株式会社ピーエムティ

福岡県須恵町.ミニマル装置群と既存のメガファブ成膜装置(外注)とのハイブリッドプロセスにより,1チップからの試作受託サービスを行っています.大分県日出町の日本TI跡地に半導体工場を建設するそうです.マスクレス露光機を開発しています.

熊本防錆工業株式会社/株式会社 晴喜製作所/石田産業株式会社

熊本防錆工業株式会社,株式会社 晴喜製作所は熊本県熊本市.石田産業株式会社は福岡県福岡市.Cuめっき装置を開発しています.

株式会社TCK

福岡県福岡市.CD-SEMを開発しています.

株式会社 ロジック・リサーチ

福岡県福岡市.ミニマルファブを使用したデバイスの設計開発を行っており,開発環境を提供するそうです.

株式会社アドウェルズ

福岡県筑紫郡.チップ接合装置を開発しています.

株式会社 石井工作研究所

大分県大分市.ダイボンダーやインクジェットプリンタを開発しています.

エスティケイテクノロジー株式会社

大分県大分市.電気的特性評価装置を開発しています.

株式会社 システック井上

長崎県長崎市.生産システムを開発しています.

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ミニマルファブ装置.工程毎に装置があり,装置を並べて製造を行います.講演会場に製造装置を持ち込みデバイスを製造していました.