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情報セキュリティ研究室

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「線形方程式の反復解法」講習会への参加報告

■参加会議名:「線形方程式の反復解法」講習会
https://www.cc.kyushu-u.ac.jp/scp/users/news/2016/380.html
■日時:2016年7月11日
■場所:九州大学 伊都図書館(伊都) 2階 情報サロン
■報告者:ISIT情報セキュリティ研究室  奥村伸也 (研究員)

概要

2016年7月11日に、九州大学 伊都図書館(伊都) 2階 情報サロンにて、「線形方程式の反復解法」講習会が開催された。線形方程式の解法は直接法と反復法の二つに大別されるが、この講習会では反復法に焦点を当てて3人の講師による講義が行われた。参加人数は10名程度であった。

講義内容

講義1. Krylov空間法の基礎
講師:阿部 邦美(岐阜聖徳学園大学)
講義の概要:
1: 線形方程式の数値解法
-直接法;Gaussの消去法
 →計算時間が長い・使用メモリが大きい
-反復法:
 =定常反復法:逐次過緩和法
 =Krylov空間法:共役勾配法(CG法)など
→計算時間が短い・使用メモリが小さい→実用問題で有効
2: Krylov空間法
-Krylov部分空間
-残差または近似解に条件
-係数行列が対称行列
=CG法
-係数行列が非対称
=双共役勾配法(BiCG法)
=積型解法(Hybrid BiCG)
  →CGS, BiCGSTAB, BiCGSTAB2, BiCGSTAB(ell), GPBiCG
=一般化最小残差法(GMRES法)
 =一般化共役残差法(GCR法)
-数学的な条件:最小条件、直交条件、双直交条件

講義2. 前処理付き反復法の適用事例
講師:藤野 清次(理化学研究所客員主幹研究員)
講義の概要:
1: 前処理1
-前処理つきCG法
-不完全Cholesky分解
-fill-inを考慮しない不完全Cholesky分解(IC分解)
-閾値によるIC分解
-頑強な(Robust)IC(RIC)分解
-RIC分解の収束性向上
-Eisenstat-SSOR(m)前処理
2: 事例研究
-シェル要素を使った有限要素構造解析への応用
-複合材料解析へのマスキング前処理つきCG法の適用
-外部Helmholtz問題へのCSIC分解つきCOCG法の適用
-電気治療法への応用
-電磁界解析への応用
-3次元ダムの地震応答解析への応用
-室内音場解析への応用
3: おわりに
-反復法とその前処理はほぼ完備
-課題→大規模問題への対応や複素数問題への数学的な理論の構築
-若手研究者の頑張りに期待

講義3. 複素密行列問題
講師:中嶋 徳正(福岡工業大学)
講義の概要:
1: 複素密行列問題の事例
・N個の物体による2次元錯乱波動場問題
・Green関数(基本解)を利用した積分方程式への変換
・連立1次方程式への離散化(区分一定要素+点整合法を利用)
2: 複素密行列向けの反復法
・良解法の例
-複素エルミート行列:共役勾配法(CG法)、共役残差法(CR法)
-複素対称行列:共役直交共役勾配法(COCG法)、共役A-直交共役残差法(COCR法)
-複素非対称行列:一般化最小残差法(GMRES法)、一般化共役残差法(GCR法)…
・上記の書くアルゴリズムの説明
3: 数値計算例
・複素対称問題
-Gauss関数状の不均質円柱による波動場散乱問題
=COCG法 vs. COCR法
=収束性:ほぼ互角(COCR法が若干優位?)
=メモリ量:COCG法<COCR法
4: 高速化の事例紹介
・行列-ベクトル積演算の高速化・省メモリ化の事例
-Impedance Matrix Localization Method
-High-order Discretization Technique
-Wavelet Technique
=for discretization
=for matrix transformation
….