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研究室
情報セキュリティ研究室

情報セキュリティ研究室

情報処理学会 第77回全国大会

学会名 情報処理学会 第77回全国大会
日時     2015年3月17日~19日
場所    京都大学吉田キャンパス

[概要]

セキュリティ/情報科学の最新の研究成果および研究動向を知る為,京都大学(吉田キャンパス)にて情報処理学会主催で催された第77回全国大会に参加した.

今大会の発表件数は1,350件(プログラム中キャンセル扱いのもの計上せず)であり,うち学生セッションの発表が1,057件(全体の約8割),一般セッションのものが297件(同2割)である.

[プログラム構成]

セッション数は総計181(うち学生134,一般47)であった.プログラムは 「コンピュータシステム」「ソフトウェア科学・工学」「データとウェブ」「人工知能と認知科学」「ネットワークセキュリティ」「インタフェース」「コンピュータと人間社会」の8分野で,最も発表が多かった分野は学生セッションでは「人工知能と認知科学」一般セッションでは「コンピュータと人間社会」であった.セキュリティ分野の発表は全体の3%余りと少なかったが,これは分類に因るもので,他の各種セッションでセキュリティをテーマとする発表が多かった.

「人工知能と認知科学」分野の学生発表が多かった理由としては,深層学習などへの注目から人工知能の展望が大きく広がった点,Word2Vecや種々の機械学習,自然言語処理ツールの充実により研究のハードルが下がった点,ソーシャルメディアなどからデータが廉価/無償で入手可能となった点があると考えられる.

[ソーシャルメディア関連研究]

ソーシャルメディアとしては特にTwitterを用いたものが多かったが,これは同サービスがモバイル環境で活用されることから,リアルタイム性や位置情報との関連性が意義を持つためと思われる.

前者については“速報性と正確性の向上を図ったTwitterからの鉄道運行情報検出システムの検討”(芝浦工大 新井ら),“Twitterを用いた開催中のソーシャルイベントの状況把握に関する研究”(芝浦工大 渡辺ら),後者については “Twitterユーザの活動するローカル地域の発見”(京大 田原ら),“ジオタグ付きツイート分析による群集”(京産大 千綿ら)といった発表が印象的だった.

[セキュリティ関連]

セキュリティ関連の発表“ネットワーク観測・分析とセキュリティマネジメント”セッションの“情報セキュリティ事故の時系列分析の試み〜公的統計と社会環境〜”(情セキ大 齋藤ら)が興味深かった.当該発表は,経産省の情報処理実態調査を基に,事故率と対策実施率に相関が見られない一方で,交通事故発生件数と法制の関係から類推し,事故率低減には法制の影響が支配的と主張した.

これに対し会場から,自動車の安全技術との関係について質問が出たが,発表者は,技術以外の要因が事故低減に重要と考えるとの回答があり,また座長(奈良先端大 猪俣先生)も,人的要因に対する取り組みの重要性を主張し,同意された.

 

[招待講演]

招待講演としてHPC “TSUBAME”開発の功績によるIEEE CS Sidney Ferbach賞を受賞されての東工大の松岡教授の講演「ITの,ITによる,ITのためのスーパーコンピュータ研究」を聴講した.TSUBAMEプロジェクトの紹介から始まり,現在言われているビッグデータはまだまだビッグでなない,現状のDeep Learningを更に発展させ,更なる多層パーセプロトン構築には更なるブレークスルーが必要との主張から,現在推進中のJST CRESTプログラムのEBD (Extreme Big Data) プロジェクトを紹介された.

最後に,将来はデータ中心主義となる,情報が情報の進化のためにスパコンを活用するとの言葉で結ばれた.

 

会場となった京都大学 吉田キャンパス(時計台記念館)

会場となった京都大学 吉田キャンパス(時計台記念館)