フルサイズミラーレス戦国時代 – 公益財団法人 九州先端科学技術研究所

フルサイズミラーレス戦国時代

みなさん最近デジタルカメラ使っていますか?

最近は、スマホのカメラ性能が上がり、超広角、望遠、スポーツなどの動き物、明暗のある場所など、特殊な環境以外では、スマホで十分きれいな写真が撮れるので、デジタルカメラは不要という人も増えていると思います。デジタル一眼レフは持ち運びも大変ですしね。

自分は、この10年、主に動き回る愛犬を撮るために、もっとピントが早く合うボディ、もっとAFの速いレンズと、色々なカメラやレンズを買っては売るという機材マニアのようになっていましたが、今年に入りソニーのα7 iiiを使い、α7r iiiに買い替えてからは、しばらくはソニーでいいかもと思っています。α9以降のα7r iii、α7 iiiの3つのカメラは本当に良くできており、自分の使い方では一眼レフはもう必要ないです。

ここにきてキャノン、ニコンがフルサイズミラーレスカメラを発売し、ライカ、パナソニック、シグマのアライアンスも発表され、フルサイズミラーレスが盛り上がっています。

ミラーレスというのは、言葉の通りで、昔の一眼レフからミラーをなくしたものですが、フルサイズはどういう意味かというと、センサーサイズの事です。

ヨドバシカメラ博多のSONYコーナーにセンサーサイズの比較がありました。

一番左がスマホのセンサー、一番右がフルサイズカメラのセンサーになります。

だいぶ大きさが違いますね。

フルサイズのセンサーはフィルムカメラ時代の35mmフィルムのサイズになります。

デジタルになって、フィルムのサイズに合わせる必要は無いのですが、これまでのレンズが35mmで設計されているため、昔のレンズも使えますし、撮影する人もこのサイズでの撮影に慣れているので、フルサイズのデジタルカメラのニーズがあるのかもしれません。

センサーサイズが大きくなるほど、光を受ける量が増えるため、画素数を増やすこともできますし、同じ画素数であれば、一つのセンサーで受ける光の量が増えるため、暗いところでもきれいに撮影できるようになります。またボケの量も増えるので立体感のある写真を撮ることができるようになります。

とは言え、晴れた日の風景写真では、APS-Cとフルサイズで撮影した写真を比べても見分けは付きませんし、大は小を兼ねるといいますが、センサーサイズは大きければ良いというわけでなく、センサーサイズが大きくなればなるほど、レンズが大きく重くなってしまいます(価格も高くなります)。ボディはデジタル技術の進歩でだいぶ小さくなってきていますが、望遠レンズは大砲のようになってしまいます。

という事で望遠レンズを気軽に持ち運ぼうとすると、少し小さなセンサーサーズのカメラが必要なので、1インチやマイクロフォーサーズが無くなるとは思いませんが、スマホと差別化するには、分かりやすい差別化要素が必要であるため、各社フルサイズのカメラを投入してきているのでしょう。

現時点での自分の使い方では、キャノンのEOS R、ニコンのZ7は、ソニーのα7r iiiに追いついていませんが、ソニーのα7は5年前から発売され3世代目、キャノン、ニコンは第1世代という事を考えると、数年後はどうなっているかわかりませんね。これまではチャレンジャーだったソニーが、今度は追われる立場、面白い展開が期待できそうです。(暗いところでのAFはEOS Rの方が優秀ですし、EVFはZ7の方が確実に綺麗ですので、使い方によっては、すでにキャノンやニコンの方が上かもしれません。自分は動きものも撮るのでトータルで見てα7r iiiです。瞳AF-Cもソニーの方が優秀ですね、早く動物の瞳AFを搭載してほしいです。)

パナソニックは最初からミラーレスですので、今回のフルサイズに参戦で一気にα7r iiiレベルのカメラを出してくるでしょうし、シグマのFoveonフルサイズはまったく違う競争領域のカメラになりそうで、機材マニアには楽しみな時代になりました。

機材ばかり良くなっても、撮影技術はいまだ初心者ですが。。。

オープンイノベーション・ラボ 坂本