虹色の虫。 – 公益財団法人 九州先端科学技術研究所

虹色の虫。

ハンミョウを、ご存じだろうか。

虹色で、小さく、素早く、低空で飛んで逃げる虫である。

筆者が小学生の頃に読んだ図鑑には、山で道に迷った人の前に現れて導く、
と書かれていたように記憶している。
近づくと、飛んで逃げて、少し離れたところに着地するので、
昔、これを追いかけて、迷った人が正しい道に戻れた事でもあったのだろう。

この程度の知識しかないまま、これまで一度も見たことがなかったのだが、
近年、近所で見掛けることに気づいた。

「ハンミョウ見かけたから、ちょっと写真撮ってくる」「は?」という家族との会話の後、
近くの駐輪場で撮った写真がこれである(なお写真は昨年8月に撮影したもの)。

他にも、九州大学の伊都キャンパス内や、離れたところでは鹿児島県南九州市の
「焼酎のお湯割りに良い水がくめるところ」で会ったことがある。

望遠機能のしっかりしたカメラでないと撮影は難しい。

普段は、ガラケーしか持ち歩かないので、どこまで近づき、逃げられずにシャッターを
押すか、というチキンレースの様相を呈する。今年の10月初旬に鹿児島で会った際には、
手元にガラケーしかなかったことが本当に口惜しい。

なお、標題の「虹色の虫。」で「玉虫」を思い浮かべた方もいらっしゃるかも知れない。

こちらの虫の方がメジャーで、国宝(玉虫厨子)にも、その羽が使用された。
色褪せないその虹色は、色素ではない「構造色(ナノ構造による光の干渉)」による。
写真のハンミョウ(恐らくナミハンミョウ)の虹色も、同じく構造色によるものである。

マテリアルズ・オープン・ラボでは「ナノ構造と色」に関連した研究開発も行っている。
興味のある方は、是非、覗いて頂きたい

事業支援部 イノベーション・アーキテクト 山本